膝のどこが痛むのか?

膝の痛みというのは痛めた場所によって原因が異なります。ここでは施術をしていて特に多い症例をあげておきますのでご参考にしてください。

 

膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)

バレーボールのトレーナーをやっている関係で膝蓋靭帯炎というのはよく遭遇します。

これは膝蓋骨周辺の痛みでジャンプ種目に多く、膝の伸展動作の繰り返しによるストレスで生じやすくなります。

大腿四頭筋のオーバーユースによるものなので大腿四頭筋の柔軟性を取り戻していきます。

また膝蓋骨の動きがひっかかっていることが多く、動きをスムーズにしていくことが重要になります。

  

ジャンパー膝(大腿四頭筋)のストレッチ

腸脛靭帯炎(ランナー膝)

これは膝の外側にある腸脛靭帯の損傷です。

マラソンをする人に多く発生することからランナー膝と言われます。

O脚がひどかったり、靴の外側ばかりが減りやすい人も注意が必要です。

痛みだけではなく、膝がぬけたように力が入りにくい状態になることもあります。

 膝の外側の柔軟性を高めると共に内側の筋肉を強化する必要があります。

 

鵞足炎

膝の内側に鵞足と呼ばれる腱が集合した場所があります。

この部分に炎症がおこることをいいます。

内側の筋肉の柔軟性を高めていく必要があります。

内側の筋肉がストレスをうけるとなるわけですが、体のバランスが大きく崩れてきて鵞足炎になる例が多いように感じられます。

 

膝窩腱炎

膝の裏側にある膝窩腱の炎症。

下り坂を走ったときやストップ動作の繰り返しによるストレスでなることが多い。

膝が伸び切らない状態になっているのでハムストリングスの柔軟性を取り戻すことが必要。

 ハムストリングスは柔軟性を失っていると肉離れを起こしやすい箇所でもあります。筋肉が(腱まで)固くなってしまうと、ストレッチだけではなかなか改善できなくなってしまいます。ももの裏が張っていると感じたら危険信号かもしれません。

 

変形性膝関節症

高齢者の特に女性に多く、膝の軟骨がすり減ることによりおこります。

ですが、高齢者の方がレントゲンやMRIを撮るとほとんどの人が変形性膝関節症と診断されると思います。

これは軟骨が減ってきているからです。

しかし変形性膝関節症と診断されていても膝の動きをよくするだけで改善することもありますので、なるべく早くご相談していただきたいと思います。

変形の度合いが悪化してしまうと手術しなければ治らなくなってしまうかもしれません。

 

膝の痛みというのは原因によってさまざまですが、共通して言えることは

 

・体重の増加に気をつける(膝に負担をかけ過ぎないため)

・痛みがあるまま無理をして使わない(膝の動きが悪いまま使っていると膝に水が溜まって腫れてくることがあります。結果、回復が遅れてしまいます。)

・股関節の動きを改善する(これは非常に重要なことです。膝をすぐ痛めてしまうという方は股関節の動きをよくしていく必要があります。膝に負担がかからない動きに変えていくということです!)